歯科医院でものづくり補助金は使える?【2026年版】個人開業は対象・医療法人は対象外|歯科用CT・口腔内スキャナーの採択事例

2026-10-27

最終更新日:2026.10.28

「ものづくり補助金は製造業向けでは?歯科医院でも使えるの?」

歯科医院の先生から、よくいただくご質問です。名前に「ものづくり」とあるため製造業だけの制度と思われがちですが、歯科医院でも、条件を満たせばものづくり補助金を使えます。ただし、開設形態(個人開業か医療法人か)によって使えるかどうかが分かれるため、申請前の確認が欠かせません。

この記事の結論

  • 個人開業の歯科医院は対象、医療法人は対象外です。医療法人の場合は、省力化投資補助金(一般型)を検討します。
  • 補助率は1/2(小規模事業者は2/3)、補助上限は従業員数に応じて750万〜2,500万円です。弊社の支援実績では、歯科用CT600万円で補助金400万円、口腔内スキャナー300万円で補助金200万円の採択事例があります。
  • 採択されるには、機器の入れ替えではなく「新しい診療を始める」計画が必要です。

この記事では、歯科医院がものづくり補助金を使える条件、補助額、対象になる機器、採択されるための事業計画のポイントを、歯科医院の支援実績を持つ中小企業診断士が解説します。ものづくり補助金以外も含めた全体像は「歯科医院が使える補助金」で解説しています。


中小企業診断士 大場 隆史中小企業診断士大場 隆史

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歯科医院はものづくり補助金の対象になりますか?

個人で開業している歯科医院は対象になります。個人事業主として、中小企業と同じように申請できます。一方で、医療法人はものづくり補助金の対象外です。

開設形態 ものづくり補助金 代わりの選択肢
個人開業の歯科医院 対象 -
医療法人の歯科医院 対象外 省力化投資補助金(一般型)。第7回公募から歯科医療法人も対象に追加

医療法人の歯科医院は、省力化投資補助金(一般型)が有力な選択肢になります。直近の公募は「省力化投資補助金(一般型)第9回公募」で解説しています。

補助金の対象になるか、5つのチェック

次の5つがすべて当てはまれば、ものづくり補助金の対象になる可能性があります。

  • ✓医療法人ではない(株式会社・合同会社・個人事業主など)
  • ✓導入する設備を、まだ発注・契約していない(見積もりを取っただけならOK)
  • ✓設備の導入で、新しいサービス・製品を始める、または作業を減らす(全く同じ設備の入れ替えではなく、性能が上がる・新しい機能が増える)
  • ✓設備の投資額が200万円以上(小規模事業者は150万円以上・税抜き)
  • ✓従業員が1名以上いる(パート・アルバイトを除く)

当てはまらない項目があっても、省力化投資補助金など、ほかの補助金が使える場合があります。自院が当てはまるか分からない場合は、中小企業診断士が無料でお答えします。

歯科医院はものづくり補助金でいくらもらえますか?

2026年度は、ものづくり補助金は新事業進出補助金と統合され、「新事業進出・ものづくり補助金」になりました。歯科医院の機器導入は、主に革新的新製品・サービス枠で申請します。

従業員数 補助上限 大幅賃上げ特例の場合
5人以下 750万円 850万円
6〜20人 1,000万円 1,250万円
21〜50人 1,500万円 2,500万円
51人以上 2,500万円 3,500万円

補助率は1/2(小規模事業者は2/3)、補助下限は100万円です。歯科医院の場合、常勤の従業員が5人以下なら小規模事業者にあたり、補助率2/3で申請できます。制度の全体像は「新事業進出・ものづくり補助金とは?」で解説しています。

※補助上限・補助率・要件は公募回ごとに変わる場合があります。申請時は最新の公募要領をご確認ください。

どんな歯科の機器が対象になりますか?

機器 ものづくり補助金での使い方の例
歯科用CT インプラントや根管治療の精密な診断を院内で行い、新しい自費診療を始める
口腔内スキャナー 型取りをデジタル化し、マウスピース矯正や精度の高い補綴など新しい診療メニューを始める
CAD/CAM・ミリングマシン(セレックなど) 院内で補綴物を作り、その日のうちに被せ物を入れる「即日修復」を始める
マイクロスコープ 精密な根管治療など、新しい自費の治療メニューを始める

なお、ユニット(診療台)の入れ替えは対象外です。今ある機器を同じ機能の機器に替えるだけでは、「新しい取り組み」として認められません。

歯科医院の採択事例は?

導入した機器 導入費用 補助金額
歯科用CT(複数案件) 600万円 400万円
口腔内スキャナー(複数案件) 300万円 200万円

いずれも導入費用の2/3の補助を受けています。口腔内スキャナーのように300万円前後の機器でも、補助下限(100万円)を上回るため、ものづくり補助金の対象になります。

直近の申請スケジュールは?

公募回 受付期間
第1回 2026年9月30日〜10月30日(金)18時締切
第2回 2027年1月頃(予定)

第1回は締切が迫っているため、これから準備を始める場合は第2回(2027年1月頃の予定)が目安です。正式な日程は公募要領の公開後に確認してください。

全国の歯科医院では、どんな計画が採択されていますか?

ものづくり補助金の採択者一覧から、全国の歯科医院の採択例を12件ご紹介します(第20次〜第23次締切)。

所在地 事業計画名 公募回
東京都 高齢者向け中重度歯周病治療の新規開発で安心・安全にQOL向上 第23次
東京都 自家歯肉及び自家骨移植による革新的歯周形成外科治療体制の開発 第23次
愛知県 睡眠時無呼吸症候群・いびきに対する新治療技術の確立 第23次
三重県 口腔内スキャナ・レーザー照射機導入による診療体制刷新事業 第23次
栃木県 技術とDXを融合した新たな補綴製作システムの確立 第23次
群馬県 地域初の最先端歯周病治療「ブルーラジカル」でチーム診療を実現 第22次
残り6件を見る
所在地 事業計画名 公募回
静岡県 迅速・高精度・低負担な次世代型矯正治療サービスの提供 第22次
愛知県 デジタル診療体制の構築による「地域完結型」治療への対応 第22次
埼玉県 ワンデイ歯周病治療という新提案、無痛・出血なく治療が1日完結 第21次
東京都 墨田初Xガイドによる高精度なインプラント治療サービスの開発 第21次
東京都 新たに画期的インプラントを提供、1歯欠損治療の満足度を向上 第21次
茨城県 歯槽骨外頬棚埋入法と補綴物提供のデジタル矯正治療体制の構築 第20次

出典:ものづくり補助金総合サイト「採択者一覧」(第20次〜第23次締切)。事業計画名は原文のまま、医院名は省略しています。

採択されている計画には、次のような共通点があります。

  • 歯周病治療が最も多い:重度の歯周病や再生治療など、「これまで院内でできなかった高度な治療」を始める計画が目立ちます。
  • インプラント・矯正・睡眠時無呼吸など、新しい自費診療を始める計画:機器の導入そのものではなく、新しい治療メニューを計画の中心に置いています。
  • デジタル化で治療の質や期間を変える計画:口腔内スキャナーやデジタル診療体制で、「治療期間の短縮」「1日で完結」など患者にとっての変化を示しています。

どの計画も、「機器を買う」ではなく「その機器で、地域の患者にどんな新しい治療を届けるか」が事業計画名から読み取れます。これが、歯科医院がものづくり補助金で採択されるための一番のポイントです。

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歯科医院が採択されるための事業計画のポイントは?

① 「新しい診療を始める」計画にする

ものづくり補助金は、新しい製品やサービスを生み出す取り組みを支援する制度です。「CTを入れてインプラント治療を始める」「口腔内スキャナーでマウスピース矯正を始める」など、機器の導入によって新しく始める診療を計画の中心に置きます。

② 効果を数字で示す

「インプラント治療を年間○件行う」「マウスピース矯正を月○件受ける」「型取りから補綴物の装着までの来院回数を○回減らす」など、導入後の件数や売上の見込みを数字で示すことが採択のカギです。今の患者数や、他院に紹介していた件数を根拠として整理しておきましょう。

③ 地域の需要と、自院の強みを結びつける

近隣に同じ診療を行う歯科医院が少ない、高齢の患者が増えているなど、地域の需要を客観的に示します。そのうえで、院長の経験や研修の受講歴など、新しい診療を確実に行える根拠を書きます。

④ 賃上げの計画を立てる

ものづくり補助金では、従業員の給与を引き上げる計画が申請の要件になっています。計画どおりに賃上げできなかった場合は、補助金の一部の返還を求められることもあるため、無理のない計画を立てることが大切です。

申請前に確認すべきことは?

① 開設形態を確認する
個人開業か医療法人かで、使える補助金が変わります。医療法人の場合は、省力化投資補助金(一般型)を検討します。

② 発注・契約は交付決定の後に
交付決定より前に発注・契約した機器は補助の対象外です。見積もりの取得までにとどめて、申請を進めましょう。

③ GビズIDプライムを早めに取得する
申請には電子申請用のGビズIDプライムが必要で、取得には2〜3週間かかります。申請を考え始めた段階で取得しておきましょう。

よくある質問

Q. ユニット(診療台)の入れ替えに使えますか?
A. 使えません。ユニットの入れ替えは、ものづくり補助金の対象外です。

Q. CTと口腔内スキャナーをまとめて申請できますか?
A. できます。「インプラント治療を始める」など1つの計画の中で、複数の機器をまとめて導入する形で申請できます。それぞれの機器が計画の中でどう使われるかを説明することが大切です。

Q. 中古の機器でも補助金は使えますか?
A. 3者以上の古物商の許可を得た中古品流通事業者から、型式や年式が記載された相見積もりを取得していれば、中古設備も対象になります。

Q. 開業前でも申請できますか?
A. 革新的新製品・サービス枠は創業1年未満でも申請できますが、応募時点で従業員が1名以上いることが条件です。開業の時期や形態によって使える制度が変わるため、個別にご相談ください。

RIGIDの歯科医院 支援実績

弊社は歯科医院の医療機器導入を数多くご支援してきました。

ものづくり補助金の採択率:90%(50/55件)

採択案件 金額
歯科医院:歯科用CTの導入(複数案件) 導入費用600万円 → 補助金額400万円
歯科医院:口腔内スキャナーの導入(複数案件) 導入費用300万円 → 補助金額200万円

医療機関の設備投資に精通したコンサルタントが、事業計画の策定支援から採択後の実績報告まで一貫してサポートいたします。

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「自院はものづくり補助金の対象になるか?」「どの機器で、いくら補助が出るか?」といったご相談から、事業計画の策定支援、採択後の手続きまで一貫してサポートします。初回のご相談は無料です。機器が決まっていない検討段階からお気軽にお問い合わせください。

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