2027年度(令和9年度)の中小企業向け補助金はどう変わる?概算要求から見る最新動向【2026年最新】

2026-09-03

2026年8月31日、経済産業省が令和9年度(2027年度)の概算要求を公表しました。中小企業向けの補助金は、いくつかの制度が統合・再編される方向が示されており、2027年度以降に補助金の活用を考えている事業者は、今の段階で全体像を把握しておくことが重要です。

この記事では、概算要求から見えてきた2027年度の中小企業向け補助金の最新動向を、分かりやすく整理して解説します。

※本記事は2026年8月末時点の概算要求に基づく内容です。制度名・補助額・要件は今後の予算編成や公募要領で変わる可能性があります。


概算要求とは?なぜ今チェックすべきか

概算要求とは、各省庁が翌年度に必要な予算を財務省に要求する手続きで、毎年8月末に公表されます。この段階では金額や制度名は確定していませんが、「来年度、国がどんな補助金に力を入れるか」の方向性が見えてきます。

補助金は準備に数ヶ月かかるため、概算要求の段階で動向を把握しておくと、投資計画のタイミングを前もって調整できます。「公募が始まってから慌てて準備する」のではなく、「来年度こういう補助金が来そうだから、今から準備しておく」という動きが可能になります。


2027年度の中小企業向け補助金は約9,000億円規模

令和9年度概算要求では、中小企業向けの投資支援に約9,000億円を計上する方針が報じられています。経済産業省の公式資料では、中堅・中小企業関係の全体要求額は約1兆3,841億円とされています。

この中で、これまで別々に運用されてきた複数の補助金が統合・再編される方向が示されました。


【最重要】補助金の統合・再編の動き

2027年度に向けた最大のポイントは、補助金の一本化・再編です。主な動きを整理します。

① 省力化補助金とデジタル化・AI導入補助金が統合 →「省力化・デジタル化・AI投資補助金」

これまで別制度だった以下の2つが、1つの制度に一本化される方向です。

統合前 統合後
中小企業省力化投資補助金 省力化・デジタル化・AI投資補助金
デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金) (上記に統合)

AIを含むデジタル技術の活用と、省力化設備の導入を一体的に支援する新制度になる見込みです。人手不足対応とDX・AX(AIトランスフォーメーション)を、1つの補助金でまとめて支援する形です。

② 新事業進出・ものづくり商業サービス補助事業

2026年度に統合された「新事業進出・ものづくり補助金」は、2027年度の概算要求で2,200億円が予算項目として計上されました。設備投資(旧ものづくり補助金)と新分野進出(旧新事業進出補助金)を一体運用する体制が継続されます。

③ 大規模成長投資補助金(省力化等)

売上高100億円を目指す中堅・中小企業の大規模投資を支援する大規模成長投資補助金にも、1,376億円が計上されています。工場新設など20億円以上の大型投資が対象です。

④ 中小企業成長加速化補助金

売上高100億円超を目指す中小企業の大胆な投資を支援する成長加速化補助金も、引き続き主要な補助金の一つとして位置づけられています。

⑤ 持続化補助金・M&A/事業承継補助金

小規模事業者の販路開拓を支援する持続化補助金、M&A・事業承継を支援する補助金も継続されます。


2027年度の補助金メニュー早見表

概算要求で示された、2027年度の主な中小企業向け補助金メニューです。

補助金 主な対象 位置づけ
省力化・デジタル化・AI投資補助金 AI・デジタル・省力化設備の導入 省力化+IT導入を統合した新制度
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 革新的な設備投資・新分野進出 2,200億円計上
大規模成長投資補助金 20億円以上の大型投資 1,376億円計上
中小企業成長加速化補助金 売上100億円を目指す投資 継続
持続化補助金 小規模事業者の販路開拓 継続
M&A・事業承継補助金 M&A・事業承継 継続

審査で「足下の賃上げ実績」が評価される方針

2027年度に向けたもう一つの重要な変化が、補助金の審査で「足下の賃上げ状況」を評価する方針です。

これまでの補助金は「これから賃上げします」という計画を示せば加点や要件を満たせるケースが多くありました。しかし今後は、申請時点での賃上げの実績が審査対象になる可能性があります。

つまり、「補助金をもらってから賃上げする」のではなく、「日頃から賃上げに取り組んでいる企業が評価される」方向に変わっていくと見られます。設備投資と補助金活用を検討している企業は、賃上げの取り組みも並行して進めておくことが有利になりそうです。


税制面での動き(賃上げ・事業承継)

概算要求と同時に、税制改正要望も公表されました。中小企業に関わる主なポイントは以下の通りです。

項目 内容
賃上げ促進税制 「給与総額」ベースから「従業員一人あたり給与」ベースへの見直し。適用期限を令和11年度末まで延長
事業承継税制 抜本的な見直し・強化。法人版は令和9年9月末までの計画申請が必要
中小企業経営強化税制 成長志向企業向けにインセンティブを強化

特に事業承継税制の特例措置は、法人版が令和9年9月末までの計画申請期限となっており、事業承継を検討している企業は期限に注意が必要です。


事業者が今すべきこと

概算要求はあくまで「要求」の段階で、最終的な制度内容は年末の政府予算案、翌年の国会審議を経て確定します。とはいえ、方向性は見えてきているので、今のうちにできる準備があります。

① 投資計画のタイミングを検討する

2027年度に大きな設備投資を予定しているなら、どの補助金が使えそうかを今の段階で見当をつけ、投資のタイミングを調整しましょう。

② 賃上げの取り組みを進める

審査で足下の賃上げ実績が評価される方向のため、賃上げの取り組みを計画的に進めておくことが有利になります。

③ GビズIDを取得しておく

どの補助金も電子申請にはGビズIDプライムが必要です。取得に2〜3週間かかるため、まだ持っていない場合は早めに取得しておきましょう。

④ 事業承継は期限を確認する

事業承継税制の特例措置を活用する場合は、令和9年9月末の計画申請期限を意識して準備を進めましょう。


よくある質問

Q. 2027年度の補助金はいつから申請できますか?

A. 令和9年度予算は2026年末に政府予算案が閣議決定され、2027年の国会審議を経て成立する見込みです。補助金の公募は制度ごとに異なりますが、早いものは2027年春以降に開始される可能性があります。

Q. 今のものづくり補助金・省力化補助金はなくなるのですか?

A. 制度がなくなるのではなく、統合・再編されます。省力化補助金とデジタル化・AI導入補助金は「省力化・デジタル化・AI投資補助金」に一本化される方向、ものづくり補助金は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として継続される見込みです。

Q. 概算要求で示された金額や制度名は確定ですか?

A. いいえ。概算要求は要求段階であり、最終的な予算額・制度内容は年末の政府予算案、翌年の国会審議を経て確定します。今後変わる可能性があるため、公募要領などで最新情報を確認する必要があります。

Q. 2027年度の補助金に向けて、今から準備できることはありますか?

A. GビズIDの取得、投資計画の検討、賃上げの取り組みなどは今から進められます。特に事業計画の方向性を固めておくと、公募開始後にスムーズに申請できます。


2027年度の補助金活用はRIGIDにご相談ください

補助金制度は毎年のように改正・再編されます。「どの補助金が自社に合うのか」「いつ申請すべきか」を見極めるには、最新の制度動向を踏まえた判断が必要です。

当社は、ものづくり補助金の採択率91%(32/35件)をはじめ、幅広い補助金の申請支援実績があります。制度の最新動向を踏まえて、お客様の投資計画に最適な補助金と申請タイミングをご提案します。

「2027年度に設備投資を考えている」「どの補助金が使えそうか相談したい」といったご相談から、お気軽にどうぞ。

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