【2026年版】射出成形機の導入に使える補助金|ものづくり補助金での申請のコツと採択事例

2026-10-09

「射出成形機を入れ替えたいが、1台で1,000万〜数千万円。補助金は使えないか?」

樹脂成形・プラスチック加工の現場から、よくいただくご相談です。結論から言うと、射出成形機は補助金と非常に相性の良い設備です。高額で、かつ「生産性向上」「省エネ」「高精度・高付加価値化」といった補助金の評価ポイントに乗せやすいため、毎年多くの事業者が補助金を使って導入しています。

ただし、「射出成形機を買います」だけでは採択されません。どの補助金を使い、どんな事業計画で申請するかが採択を分けます。

この記事では、射出成形機の導入に使える補助金の種類、採択につながる申請の組み立て方、補助額のシミュレーション、価格相場までを、樹脂成形業の採択実績を持つ中小企業診断士が解説します。


射出成形機の導入に使える補助金

射出成形機(電動・ハイブリッド・油圧式、小型〜大型)の導入で活用を検討できる主な補助金は以下の通りです。

補助金 補助上限 補助率 射出成形機との相性
ものづくり補助金 最大4,000万円〜 1/2〜2/3 ◎ 最有力。高精度成形・新素材対応・省エネ化に
中小企業省力化投資補助金(一般型) 最大1億円 1/2〜 ○ 取り出しロボット・自動化と組み合わせた省人化に
新事業進出補助金 最大9,000万円 1/2〜2/3 ○ 成形技術を活かして新分野に進出する場合
省エネ補助金 制度による 1/2〜 ○ 油圧式→電動式への更新による省エネ効果を軸に
都道府県・自治体の補助金 数百万円〜 1/2〜 ○ 比較的小型機・競争率が低い

基本は、ものづくり補助金が第一候補です。射出成形機は「設備更新」ではなく「革新的な生産プロセスの改善」として計画を組みやすく、補助上限も大きいためです。


ものづくり補助金で射出成形機を通す申請のコツ

ものづくり補助金は、中小企業の革新的な製品・サービスの開発や生産プロセスの改善を支援する制度です。審査で評価されるのは「設備を買うこと」ではなく「その設備で何が新しくできるようになるか(革新性)」。射出成形機を申請に乗せるなら、次のような角度で事業計画を組み立てます。

角度①:高精度・薄肉・微細成形への対応

最新の電動射出成形機を導入し、従来機では難しかった薄肉成形・微細成形・高精度品に対応する。これまで受けられなかった精密部品・医療・電子部品向けの引き合いを取り込む計画です。

角度②:新素材・難成形材への対応

スーパーエンプラ、バイオプラスチック、再生材(リサイクル材)など新素材・難成形材への対応を可能にし、環境配慮型製品など新しい付加価値を打ち出す。脱炭素・サステナビリティの文脈とも相性が良い構成です。

角度③:油圧式→電動式への更新による省エネ・生産性向上

旧式の油圧成形機を電動・ハイブリッド機へ更新し、消費電力を大幅に削減しつつ、成形サイクルの短縮・不良率の低減を実現する。「電力コストが年間○%削減」「サイクルタイムが○%短縮し年間○個増産」といった具体的な数値で効果を示します。

いずれの角度でも、「Before(現状の課題)→設備導入→After(どう変わり、いくらの効果が出るか)」を数字で描くことが採択のカギになります。


補助額シミュレーション(ものづくり補助金)

電動射出成形機を導入する場合の一例です。

項目 金額
電動射出成形機(中型機) 2,400万円
取り出しロボット・金型温調・付帯設備 600万円
合計投資額 3,000万円
補助率 2/3(小規模事業者等)
補助額 最大2,000万円
実質自己負担 約1,000万円

※補助上限・補助率は公募回・企業規模・申請枠によって異なります。実際の金額は最新の公募要領でご確認ください。

3,000万円の投資が実質1,000万円で済む計算です。投資回収のスピードが大きく変わります。


省力化補助金・新事業進出補助金との使い分け

やりたいこと 向いている補助金
高精度・省エネ機の導入で生産性・付加価値を上げたい ものづくり補助金
取り出しロボット・搬送と組み合わせて無人化したい 省力化補助金(一般型)
成形技術を活かして新しい事業分野に進出したい 新事業進出補助金
油圧→電動の省エネ更新を前面に出したい 省エネ補助金
比較的小型の機械を低負担で入れたい 都道府県・自治体の補助金

射出成形機そのものの導入がメインならものづくり補助金。取り出しロボットや自動搬送と組み合わせて「夜間無人成形ライン」を作るなら省力化補助金(一般型)、という切り分けが基本です。投資内容によって最適な制度は変わるため、申請前の見極めが重要です。


射出成形機の価格相場と補助金の費用対効果

タイプ 価格帯の目安 特徴
小型機(〜100トン級) 500万〜1,500万円 小物・精密部品向け。導入しやすい
中型機(100〜450トン級) 1,500万〜3,500万円 最も普及。幅広い製品に対応
大型機(450トン超) 3,500万〜1億円超 大型成形品・多数個取り向け

高額になるほど自己負担も大きくなりますが、その分補助金のインパクトも大きくなります。補助率2/3が使えれば、実質負担は投資額の1/3程度。「補助金が使えるかどうか」で機械のグレード選択が変わるケースも多く、まず使える制度を確認してから機種を決めるのがおすすめです。


申請前に確認すべきポイント

① 「なぜこの機械が必要か」を数字で説明できるか

「古くなったから」ではなく、「この機械で成形精度・生産性が何%上がり、年間いくらの増産・コスト削減(電力・不良低減含む)になるか」を示せるかが勝負です。

② 見積もりは早めに取得する

人気メーカー(ファナック、日精樹脂、住友重機械、東芝機械/芝浦機械等)の電動機は見積もり取得や納期に時間がかかります。公募スケジュールから逆算して早めに動きましょう。

③ 複数の制度を比較する

ものづくり・省力化・新事業進出・省エネ・自治体の補助金では、補助上限・補助率・対象経費が異なります。投資内容によって最も有利な制度が変わるため、申請前の比較が重要です。


よくある質問

Q. 中古の射出成形機でも補助金は使えますか?

A. 原則として補助対象は新品の設備です。中古品は対象外となるケースがほとんどです。

Q. 射出成形機1台だけの申請でも通りますか?

A. 通ります。射出成形機は単体でも投資額が大きく、革新性・生産性向上のストーリーを描きやすいため、1台の導入でも十分に事業計画として成立します。

Q. 金型や取り出しロボットも一緒に補助対象にできますか?

A. ものづくり補助金では、事業計画に必要な範囲で金型(専用金型は対象外となる場合あり)や周辺装置を含められるケースがあります。対象経費の範囲は公募要領で確認が必要なため、申請前にご相談ください。

Q. 省エネ効果を軸に申請する場合、どの補助金が有利ですか?

A. 油圧式から電動式への更新による省エネを前面に出す場合は、省エネ関連の補助金も選択肢になります。ただし生産性向上や高付加価値化も同時に狙うなら、ものづくり補助金の方が補助上限が大きく有利なケースが多いです。両方を比較して最適な制度を選びます。


射出成形機の補助金申請はRIGIDへ

当社は樹脂成形業・製造業を中心に、ものづくり補助金の申請を数多く支援してきた中小企業診断士事務所です。ものづくり補助金の採択率は91%(32/35件)。射出成形機の導入でも採択実績があります。

「どの補助金が使えるか」「どんな事業計画なら通るか」「省エネ系と比べてどれが有利か」といったご相談から、事業計画書の作成、採択後の手続きまで一貫してサポートします。見積もりが固まっていない設備選定の段階からご相談いただけます。

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