先端設備等導入計画とは?固定資産税が最大5年間1/4に軽減される制度を解説【2026年版】
2026-03-24
「設備投資をしたいが、購入後の固定資産税が重い…」
中小企業が新しい設備を導入するとき、購入費用だけでなく、その後毎年かかる固定資産税も大きな負担になります。
しかし、先端設備等導入計画の認定を受ければ、新規取得した設備の固定資産税が3年間1/2、または5年間1/4に軽減されます。しかも、ものづくり補助金や省力化補助金と併用が可能です。
つまり、補助金で設備の購入費用を抑え、先端設備等導入計画で毎年の税負担も抑えるというダブルのメリットが得られます。
この記事では、先端設備等導入計画の制度概要、対象設備、申請の流れ、補助金との併用方法を解説します。
先端設備等導入計画とは
先端設備等導入計画は、中小企業等経営強化法に基づく制度です。中小企業が設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画を市区町村に提出し、認定を受けることで固定資産税の軽減などの支援を受けられます。
制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 資本金1億円以下の法人、従業員1,000人以下の個人事業主等 |
| 計画の要件 | 労働生産性が年平均3%以上向上する計画であること |
| 税制優遇 | 固定資産税が3年間1/2、または5年間1/4に軽減 |
| 賃上げ要件 | 雇用者給与等支給額を1.5%以上(1/2軽減)または3%以上(1/4軽減)増加させる方針を表明 |
| 投資利益率 | 年平均5%以上の投資利益率が見込まれること |
| 適用期限 | 令和8年度末(2026年度末)まで |
| 認定先 | 設備の導入先の市区町村 |
固定資産税がどのくらい安くなる?
具体的なシミュレーション
例:1,000万円の設備を導入した場合
固定資産税の税率は1.4%(標準税率)です。
通常の場合:
| 年 | 課税標準(概算) | 固定資産税(概算) |
|---|---|---|
| 1年目 | 約860万円 | 約12万円 |
| 2年目 | 約740万円 | 約10万円 |
| 3年目 | 約635万円 | 約9万円 |
| 3年間合計 | — | 約31万円 |
先端設備等導入計画(1/4軽減・5年間)の場合:
| 年 | 課税標準(概算) | 固定資産税(概算) |
|---|---|---|
| 1年目 | 約860万円×1/4 | 約3万円 |
| 2年目 | 約740万円×1/4 | 約2.6万円 |
| 3年目 | 約635万円×1/4 | 約2.2万円 |
| 3年間合計 | — | 約7.8万円 |
3年間で約23万円の軽減。 5年間では合計30万円以上の軽減になるケースもあります。高額な設備(数千万円規模)であれば、軽減額は数十万〜百万円単位になります。
対象となる設備
先端設備等導入計画の対象設備は幅広く、業種を問わずさまざまな設備が対象になります。
| 設備の種類 | 最低取得価格 | 具体例 |
|---|---|---|
| 機械装置 | 160万円以上 | 工作機械、建設機械、リフト、塗装ブース、溶接機、洗車機、印刷機械 等 |
| 測定工具・検査工具 | 30万円以上 | アライメントテスター、スキャンツール、3次元測定器 等 |
| 器具備品 | 30万円以上 | サーバー、ネットワーク機器、デジタルサイネージ 等 |
| 建物附属設備 | 60万円以上 | 空調設備、照明設備、給排水設備 等 |
| ソフトウェア | 70万円以上 | 生産管理システム、顧客管理システム、会計ソフト 等 |
ポイント: 生産・販売活動等に直接使用する新品の設備であること。中古品は対象外です。
ものづくり補助金との併用で「ダブルのメリット」
先端設備等導入計画は、ものづくり補助金や省力化補助金と併用が可能です。
例:1,000万円のリフトをものづくり補助金+先端設備等導入計画で導入
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| リフト購入費用 | 1,000万円 |
| ものづくり補助金(補助率2/3) | △667万円 |
| 自己負担額 | 333万円 |
| さらに固定資産税軽減(5年間1/4) | 年間数万〜十数万円の軽減 |
補助金で購入費用の2/3を補助してもらい、さらに毎年の固定資産税も軽減される。設備投資の負担を最大限抑えられます。
併用できる補助金
| 補助金 | 併用 |
|---|---|
| ものづくり補助金 | ◎ 可能 |
| 省力化補助金(カタログ型) | ◎ 可能 |
| 新事業進出補助金 | ◎ 可能 |
| 持続化補助金 | ◎ 可能 |
| IT導入補助金 | ◎ 可能 |
申請の流れ
先端設備等導入計画の認定は、設備を購入する前に受ける必要があります。
Step 1:認定経営革新等支援機関に事前相談
計画の内容(労働生産性が年平均3%以上向上するか)と、投資計画の内容(投資利益率が年平均5%以上か)について、認定経営革新等支援機関の確認を受けます。当社(RIGID)も認定経営革新等支援機関です。
Step 2:賃上げ方針を従業員に表明
固定資産税の軽減を受けるためには、雇用者給与等支給額を1.5%以上(1/2軽減)または3%以上(1/4軽減)増加させる賃上げ方針を従業員に表明する必要があります。
Step 3:市区町村に計画を申請・認定を受ける
設備の導入先(本社ではなく設備の設置場所)の市区町村に計画を提出し、認定を受けます。
Step 4:設備を取得する
認定を受けた後に設備を取得します。認定前に設備を取得すると対象外になるので注意が必要です。
Step 5:固定資産税の申告時に特例を適用
翌年の償却資産申告時に、認定書等の書類を添付して特例の適用を申告します。
重要な注意点
- 設備の取得前に認定を受けることが必須です。先に買ってから申請しても認められません
- 認定の申請先は設備の導入場所の市区町村です(本社所在地ではない場合があります)
- 適用期限は2026年度末まで。設備投資を検討している方は早めの申請がおすすめです
よくある質問
Q. どの市区町村でも申請できますか?
A. 市区町村が「導入促進基本計画」を策定し国の同意を受けている場合に申請可能です。ほとんどの市区町村が策定済みですが、事前に確認が必要です。
Q. リースで導入する設備も対象ですか?
A. ファイナンスリースで、リース会社が固定資産税を納付する場合は対象となります。リース会社を通じて手続きを行います。
Q. 補助金の交付決定前に先端設備等導入計画の認定を受けられますか?
A. はい。先端設備等導入計画の認定と補助金の交付決定は別の手続きです。ただし、どちらも設備取得前に手続きを完了させる必要があるため、スケジュール管理が重要です。
Q. 個人事業主でも申請できますか?
A. はい。従業員1,000人以下の個人事業主も対象です。
Q. 賃上げ方針の表明は必須ですか?
A. 固定資産税の軽減を受ける場合は必須です。計画の認定自体は賃上げ方針がなくても可能ですが、税制優遇を受けるためには賃上げの表明が必要です。
先端設備等導入計画のご相談はRIGIDへ
当社は認定経営革新等支援機関として、先端設備等導入計画の事前確認書の発行や、計画策定のサポートを行っています。
特に、ものづくり補助金や省力化補助金とセットでの申請サポートが強みです。「補助金で購入費用を抑え、先端設備等導入計画で固定資産税も抑える」ダブルのメリットをご提案します。
「この設備は対象になるのか?」「補助金との併用はどう進めればいいか?」といったご相談もお気軽にどうぞ。